
不動産の親族間売買について!適正価格の設定方法も解説

親族間で不動産を売買したいと考えているものの、いくらで取引すればよいのか、税金はどうなるのかと不安を抱えてお悩みではありませんか。
相場より安く売買するなどの不適切な価格設定をしてしまうと、「みなし贈与」として税務署から思わぬ多額の贈与税が課されるリスクがあるため注意が必要です。
本記事では、親族間売買における基礎知識をはじめ、一般的な不動産売買との違いや、贈与とみなされないための適正価格の設定方法について解説します。
将来的な身内間でのトラブルや税務リスクを未然に防ぎ、安心できる不動産の親族間売買を検討している方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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親族間売買とは?

不動産の親族間売買を検討するにあたり、最初におさえるべき基礎知識には、主に対象範囲やメリットやデメリットがあります。
まずは、親族間売買の基本となる仕組みやリスクについて解説します。
親族の定義と対象物件
民法上の親族とは、6親等内の血族と配偶者、3親等内の姻族を指します。
親から子や祖父母から孫だけでなく、兄弟姉妹や甥姪との取引も親族間売買に含まれます。
また、対象物件は一戸建てやマンション、更地、収益物件まで幅広く、法律上の種類制限は基本的にありません。
山林や事業用倉庫、共有持分のみの売買も、権利関係を整理すれば進められるでしょう。
ただし、農地は親族間であっても農地法の許可が必要になるため、早めの確認が大切です。
所有状況や利用目的を身内で共有しやすい点も、親族間売買ならではの特徴といえます。
売買におけるメリット
親族間売買のメリットは、当事者の事情に合わせて、取引条件を柔軟に整えやすいことです。
売買価格や支払方法は、一括払いだけでなく分割払いも含め、双方の生活設計や資金事情に沿って相談できます。
また、引渡し時期も住み替えや介護の予定に合わせやすく、無理のない段取りを組めるでしょう。
物件の状態を共有しやすいため、契約不適合責任の範囲も契約書で整理しやすくなります。
現状有姿で引渡す場合も、傷みや設備の状態を事前に確認しておけば認識のずれを防げます。
大切な実家や土地を身内で引き継げる点は、思い出と資産を将来へつなぐ安心材料になるでしょう。
把握すべきデメリット
注意したい点は、売買価格を低くしすぎると、みなし贈与と判断される可能性があることです。
みなし贈与とは、時価との差額を贈与と考え、買主に贈与税がかかる仕組みを指します。
明確な割合は法律で決まっていませんが、実勢価格の80%未満では、価格根拠の確認と記録が欠かせません。
また、価格の理由が曖昧だと税務署へ説明しにくく、後から資料集めに手間がかかるでしょう。
特定の親族だけが有利に見える条件では、相続時の不満につながらないよう記録を残す必要があります。
親族間売買は柔軟に進められる一方で、価格と契約内容を客観的に示す準備が重要です。
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一般的な不動産売買との違い

前章では、親族間売買の基本や注意点について述べましたが、通常の取引とどう違うのか、気になりますよね。
ここでは、一般的な不動産売買との違いを3つのポイントで比較して解説します。
課税リスクの差を比較
一般的な売買では、第三者同士が市場価格を踏まえて合意するため、取引価格が時価と扱われやすいです。
一方で、親族間売買は身内への配慮から、相場より低い価格に設定される場合があります。
その価格が時価より著しく低いと、差額が贈与とみなされ、贈与税の課税対象になる仕組みです。
実務上は、時価の80%未満での取引が一つの注意ラインとして意識されるでしょう。
たとえば、時価5,000万円の不動産を1,000万円で売買すると、差額4,000万円の説明が必要になります。
そのため、親族間では客観的な資料を使い、価格の合理性を丁寧に示して合意することが大切です。
控除や特例適用の可否
一般的な売買では、条件を満たせば住宅ローン控除や3,000万円特別控除を使える場合があります。
住宅ローン控除とは、一定のローン残高を基に、所得税などの負担を軽くする代表的な制度です。
ただし、取得先が配偶者や特別な関係者にあたる場合は、控除の対象外となります。
また、売主側の3,000万円特別控除も、配偶者や直系血族への譲渡では使えないことがあります。
生計を一にする関係は、同居だけでなく生活費や学資金の送金がある場合も含まれる点に注意しましょう。
親族間売買では、住民票や公共料金の支払い資料など、生計の独立を示す準備が役立ちます。
融資審査基準の厳しさ
金融機関は親族間売買について、資金使途や価格の妥当性を通常より丁寧に確認します。
住宅ローン資金が本当に不動産取得に使われるか、別目的ではないかを見極めるためです。
また、担保価値に見合う価格か、所有権や抵当権などの権利関係に問題がないかも問われます。
対策としては、不動産会社に依頼し、重要事項説明書と売買契約書を整える方法が有効でしょう。
登記事項証明書や公図、固定資産評価証明書もそろえると、取引の客観性を説明しやすくなります。
審査前には売却代金の使い道や振込予定を書面で整理し、金融機関へも落ち着いて丁寧に示すことが大切です。
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贈与認定を避ける適正価格の算出と設定方法

ここまで、通常取引との違いや課税リスクを解説しましたが、トラブルを防ぐ適正価格の設定方法も、おさえておきましょう。
最後に、みなし贈与を避ける適正価格の算出基準と、根拠の示し方について解説します。
不動産鑑定士への依頼
客観性を高めやすい方法は、不動産鑑定士に評価を依頼し、鑑定評価書を取得することです。
依頼時は所在地や物件種別、利用目的を伝え、必要な業務範囲と費用の目安を確認します。
その後、登記簿謄本や公図、固定資産評価証明書など、価格判定に必要な資料を提出しておくと手続きが進めやすくなるでしょう。
鑑定士は現地で接道や日照、建物の状態を見て、近隣の取引事例や法令制限も調べます。
通常は3週間~1か月ほどで書面が作成され、一般的な住宅では20万円~35万円程度が目安です。
不整形地や共有持分など個別事情が強い物件ほど、専門評価が価格の説得力につながります。
評価額での簡易算定法
費用や時間を抑えたい場合は、路線価や固定資産税評価額を使って目安を出す方法があります。
路線価とは、国税庁が道路ごとに示す、相続税評価の基準となる価格のことです。
土地は路線価に面積を掛け、形状に応じた補正をくわえると評価額を求められます。
また、路線価は公示地価の約80%が目安のため、評価額を0.8で割る考え方があります。
固定資産税評価額は、土地で公示地価の約70%が目安とされ、0.7で割る算定も参考になるため、比較材料として使えるでしょう。
ただし、建物の築年数や劣化状況で差が出るため、近隣の類似物件と比べて補正することが大切です。
価格根拠の明示と説明
価格を決めた後は、根拠を契約書に明示し、後から説明できる状態に整えることが大切です。
特約事項には、鑑定評価書や路線価、固定資産税評価額など、どの資料を基にしたかを書きます。
さらに、計算過程のメモや路線価図、固定資産評価証明書は、契約書と一緒に保管し、紛失を防ぐことも重要です。
資料名だけでなく、採用した数値や算定式を残すことで、家族間でも内容を確認しやすくなります。
売買代金は現金手渡しではなく銀行振込にすれば、資金移動の記録を客観的に残せます。
適正価格の資料と入金記録をそろえることで、税務署や金融機関にも落ち着いて説明できるでしょう。
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まとめ
親族間の不動産売買は条件を柔軟に決めやすい一方で、安すぎる価格はみなし贈与と判断されるリスクがあります。
一般取引より贈与税の課税リスクがあり、住宅ローン控除の対象外になりやすく、融資審査も厳しくなります。
トラブル防止には、鑑定士や路線価で適正価格を算出し、契約書や銀行振込で客観的根拠を残すと安心でしょう。
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